お太夫さんのくんだら問答 第2回 正月の飾りつけ
・・・・・境内の枯葉掃除をしている総代さんと宮司(お太夫さん)
- 前に注連縄の話は教えてもろたけんど正月の注連飾りとはどないに違うんで?
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ほれはな、正月前には大掃除するだろ?本来は煤払いちゅうて十二月十三日に正月準備始める日にするんが正しいんでな。
ほんで家中の掃除が済んだら神棚のお神札(天照皇大神札)も台所のお荒神さん(荒神札)の入れ替えるんよ。 - ほれは分っとるでよ。ワシがおはらいさん配いよるけんな。
- 毎年ご苦労さま。ほんで神棚の次に床の間に鏡餅をお供えする。正月の神さんへのごちそうなんよ。
- ほう、何で床の間なん?
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床の間ちゅうんはお神さんをお招きする場所なんよ。正月の神さん(歳徳神)の為にあるんよ。
正月のありがたい神さんが来てくださり、ご逗留してもらい、福うぃ授かる為に鏡餅を奉るんよ。ほんでうちは掃除もできました、お神札も替えました。ごちそうのお餅も用意しおていますというサインに玄関に注連飾り付けたり 門松置いたりするんよ。 - ほなけんど最近は神棚も無い、お神札も授けん、床の間も無いちゅうような家がようけあるわな。
- ほうなんよなぁ〜、ただ綺麗けんてクリスマス・ツリー終うたら今度は注連飾り付けたって意味無いのになぁ・・・
- ほな神棚も無い、床の間も無い、お神札も授けんのに注連飾りだけしても正月の神さん怒って去んでしまうちゅう事かい?
- まぁそうなるわなぁ。
- あ、イカン、うちの床の間ごちゃごちゃ物だらけじゃ。
- 早う片付けて掃除しときなよ〜。
文:神東 正典
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